これまでの受賞作品
第10回
大辞泉が選ぶ新語大賞
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大賞
【緊急銃猟】
人間の生活圏にクマ、イノシシが出没した際、安全確保の条件の下で、市町村が委託した者による銃猟を可能とすること。
※クマサンポさん投稿の語釈 -
次点
【ビンテージ米】
古古米や古古古米の言いかえ。ビンテージは古くなって価値が上がるものを指すので、この場合は皮肉。
※アサミシンブンさん投稿の語釈 -
次点
【しごでき】
仕事ができて、かつ手際がよいこと。またその人。
※yuchanさん投稿の語釈
2025年
新語投稿数
ベスト10
- 【ビジュ/ビジュいい】
- 【トランプ関税】
- 【令和の米騒動】
- 【えっほえっほ】
- 【チャッピー】
- 【MAGA】
- 【オンラインカジノ】
- 【退職代行】
- 【しごでき】
- 【半鬱】
※【メロい】も上位でしたが、2024年も投稿ベスト10入りしていたので除外しました。
選評
選考委員
明治大学国際日本学部教授
田中 牧郎 たなか まきろう
1962年・島根県生まれ。東北大学文学部・卒業。東北大学大学院文学研究科・修士課程修了。東京工業大学大学院社会理工学研究科・博士課程修了。明治大学国際日本学 部・教授。国立国語研究所・運営会議委員。主な著書に『図解 日本の語彙』(三省堂/共著)。『近代書き言葉はこうしてできた』(岩波書店)。『コーパ スと日本語史研究』(ひつじ書房/共著)ほか。
総 論
容姿へのホメ言葉が、新しく生まれました。
ルッキズム批判をかわす工夫?――
2,811件の投稿のうち【ビジュい】【ビジュいいじゃん】など、男性アイドルグループ「M!LK」発の新語が計46件と1位でした。ルッキズム批判などで、他者の容姿を直裁に評するのがはばかられる昨今、それでもホメたいときに使う新語の「発明」なのかもしれません。もちろん、すぐに『大辞泉』に収録とはいきませんが、ひと昔前の新語【イケメン】なども今では立派な辞書収録語。今後、どうなるかはわかりません。2016年の第1回大辞泉新語大賞語【トランプショック】が、9年という時を経て、再び多数投稿されたのも2025年の特徴でした(ベスト10集計からは除外)。2016年にはトランプ氏の米大統領当選自体がショック(驚き)でしたが、2025年は投稿2位が【トランプ関税】だったことからも、具体的なショック(懸念)として投稿されたようです。【令和の米騒動】【オンラインカジノ】【退職代行】などは、2025年の特定の時期に多く投稿された「季節もの」と言えます。キャンペーン終盤には【サナエノミクス】【サナ活】など高市総理関連の新語が多く投稿されました。2026年も注目です。2024年は【50-50(フィフティ-フィフティ)】【デコピン】などドジャース・大谷翔平選手関連の新語を多くいただきましたが、2025年はほぼありませんでした。注目度は2024年と変わらず大きいはずなのに、不思議に感じられます。
大賞
【緊急銃猟】
震災、コロナ、物価高の次はクマ。
新たな戦いに追われる私たち――――
深刻度は地域によって差がありますが、クマ出没は人命にかかわる大問題です。それを反映して【緊急銃猟】【ガバメントハンター】【クマ禍】などの新語が寄せられました。クマ関連語では、『大辞泉』は2024年4月に【アーバンベア】を立項。2023年ごろから市街地出没が話題になっていたことに対応しました。そして2025年、人的被害は増加し、秋には話題にならない日がないほどでした。【緊急銃猟】は9月に制度化されましたが、発砲の許可者が増えただけで、猟友会の負担は減っていません。地球的な環境問題の一端なので、森林でのクマのエサ不足はそう簡単には解消しないでしょう。クマが冬眠している時期にこそ、2026年以降の対策をしっかりと練ってほしい。そんな願いを込めて、2025年の大賞としました。
根本原因は何も変わりません。
次点
【ビンテージ米】
ココココ…
と言いづらい言葉を明瞭化。
しかし、やっぱり皮肉な意図が――
投稿数としては【令和の米騒動】の方が多かったのですが、編集部は【ビンテージ米】を次点としました。『大辞泉』には【古米】【古古米】は立項済ですが、2025年はさらに古い【古古古米(2021年産)】【古古古古米(2020年産)】まで放出されました。古い米を「ビンテージ」と呼んだのは小泉農水大臣(当時)だという報道と、それは誤報だったという報道があります。「ビンテージ」は経年によって価値が増した物のことなので、世間では皮肉を込めた言葉として失笑とともに使われました。しかし、大手コンビニが2023年産の米を使ったおにぎりを「ビンテージ2023」と銘打って販売。これには呆れる声も多かったようです。ちなみに2023年産は【古米】なので【ビンテージ米】と呼ぶにはやや新しいですね。
収量も増。2026年は安定すると良いですね。
次点
【しごでき】
略語の王道「4文字化」の典型例。
2026年の新語、皆さんも作ってみて!
【しごでき】は2019年ごろから見られるようになった言葉で、2024年は三省堂『2025年の新語2024』で4位となりました、2025年は『大辞泉』への投稿としても上位だったので次点としました。「がくちか=学生時代にチカラを入れたこと」「おやかく=内定前の親の確認」など、就職活動にまつわる4文字(音)略語が使われだしたのが2015年ごろからですから、その世代が社会に出て、仕事ができる同僚に憧れて【しごでき】と言い始めているのかもしれません。「パソコン」「キムタク」「朝ドラ」「棚ぼた」など、4文字(音)化は日本語の略語形成の王道パターンですから、今後も類似の新語がどんどん生まれることでしょう。
【しごでき】には憧れるようです。
『大辞泉』に採用が
決定した
新語をご紹介します
キャンペーン期間中に投稿された
2,811語の新語の中から、
実際に『大辞泉』に採用する可能性のある
新語を編集部が毎月選定しました。
合計33語の新語が選ばれました。
皐月/水無月
5月 6月
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【アメリカ湾】
メキシコ湾の別名。トランプ米大統領が呼び名を変えると言い出した。
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【ビンテージ米】
古古米や古古古米の言いかえ。ビンテージは古くなって価値が上がるものを指すので、この場合は皮肉。
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【魚雷バット】
先端が太い通常のバットと違って、ボウリングのピンのように先が細くなっているバット。
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【退職代行】
退職者が退職する際に職場との間で生じるコミュニケーションを代行するサービス。
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【しごでき】
仕事ができて、かつ手際がよいこと。またその人。
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【ギガ】
俗に、スマートフォンなどの、月内に制限なく使えるデータ通信量。
文月
7月
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【TACO】
Trump Always Chickens Out.(トランプはいつも怖じ気づいて引っ込める)の略。トランプ米大統領が、他国に高率な関税をふっかけるが、たいてい常識的な率に落ち着くということ。
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【日本人ファースト】
参政党が掲げる、日本人を第一に考え、日本人を優先するという思想。排外的、差別的と批判されることもある。
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【ホワイトハラスメント】
上司が部下に対し、仕事の負荷をかけないように過剰に気をつかい、指導や責任の付与を避け、結果的に成長の機会を奪うこと。
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【平成女児】
平成時代に子ども時代を過ごした女性たち。「たまごっち」などの玩具や、文具といった当時の懐かしいカルチャーがSNSで共有され、ブームが再燃している。
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【メロい】
かっこいい、容姿がよい、メロメロにさせてくるなど、魅力的な見た目・雰囲気であること。
ファッショ
葉月
8月
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【酔泳】
飲酒後に泳ぐこと。アルコールによって平衡感覚や判断能力が衰えるだけでなく、体温が急激に低下するなど非常に危険な行為で、水難事故の元となる。
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【遊具火傷】
日照で過熱した金属製の遊具に触れることで負う、やけど。
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【食べハラ】
食べなよハラスメント。いらないと言っているのに食べ物を勧め、断ってもしつこく勧めてきたり怒ったり機嫌が悪くなったりすること。
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【えっほえっほ】
フクロウのヒナが走る写真に添えられたネットミーム。誰かに何かを伝えたいときに使う。
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【お友達】
俗に、それから離れられなくなること。「腹痛でトイレとお友達になる」
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【ばっきばき】
極端さや、過度な興奮を示すオノマトペ。
長月
9月
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【MAGA派】
アメリカの草の根保守運動の支持者。トランプ大統領を熱烈に支持する。MAGAは同大統領が唱えたMake America Great Again(「アメリカを再び偉大に」の略。
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【ネット逃避】
現実のストレスや悩みから一時的に逃げるために、ゲームや動画サイトなどのインターネットサービスにのめり込む現象。
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【リベンジ退職】
今まで勤めていた会社で辛いことがあったので、腹いせに、辞める前に報復的行動をとること。
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【かけこみ万博】
博の閉幕日が近づくにつれて、来場者が急増して会場が混雑する状況。早いうちに予約枠が埋まってしまうことが多い。
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【撃沈】
完敗することや、大失敗することをたとえていう語。
神無月
10月
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【サナエノミクス】
高市早苗の金融緩和 緊急時の財政出動 危機管理投資成長投資を組み合わせたもの。
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【緊急銃猟】
人間の生活圏にクマ、イノシシが出没した際、安全確保の条件の下で、市町村が委託した者による銃猟を可能とすること。
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【ぬい活】
お気に入りのぬいぐるみと写真を撮ったり、お出かけしたりして楽しむこと。
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【あきらめ廃業】
資金があるうちに事業をたたむこと。
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【体験格差】
家庭の経済状況や居住する地域などによって、子供が学校外で得られる体験活動の機会が質、量に差が生じる状況。
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【半鬱】
憂鬱以上、鬱病未満の心の状態 なんとか仕事に行くなど体は動いているけど、心が動かない状態。
霜月
11月
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【二季】
酷暑の夏が終わると厳寒の冬がすぐにやってくる異常気象。日本の誇る四季が消えてしまった。
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【サナ活】
高市早苗のアイテムやライフスタイルやメイクを真似すること
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【スマート水道】
ITを活用した効率的・安全な水道管理システム
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【チャッピー】
ChatGPTを親しみを込めて呼ぶ言葉。
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【ニャンモナイト】
アンモナイトのように丸まって寝ている猫。
※二季は『大辞泉』既収録の言葉ですが、新しい意味として選考しました。