第4回大辞泉が選ぶ新語大賞2019 あなたの新語も辞書に載せよう。 選考結果発表第4回大辞泉が選ぶ新語大賞2019 あなたの新語も辞書に載せよう。 選考結果発表

大 賞

【イートイン脱税】食品を持ち帰り税率の8パーセントで会計して、イートインで食べること。本来であればその場で食べる場合は税率10パーセントで会計しなければならない。

次 点

【闇営業】芸人がプロダクションを通さないで仕事を請け負うこと。また特に、裏社会からの誘いで仕事を請け負うこと。

次 点

【にわかファン】これまで関心がなかった物事に対し、流行等で急に興味を持ち、その事柄についてよく知っていないがファンになる人のこと。

※これらの語釈は一般から投稿されたものです。
正式な語釈は編集部が執筆陣に依頼し、今後の改定時に『デジタル大辞泉』のデータとして収録される予定です。

投稿総数 1,927

昨年に引き続き、最終選考会には、明治大学国際日本学部教授の田中牧郎先生にご参加いただきました。

特別選考委員

田中 たなか 牧郎 まきろう
明治大学国際日本学部教授

プロフィール
1962年・島根県生まれ。東北大学文学部・卒業。東北大学大学院文学研究科・修士課程修了。東京工業大学大学院社会理工学研究科・博士課程修了。明治大学国際日本学部・教授。国立国語研究所・客員教授。日本語学会・評議員。日本医学会・用語管理委員。

主な著書
『図解 日本の語彙』(三省堂/共著)。『近代書き言葉はこうしてできた』(岩波書店)。『コーパスと日本語史研究』(ひつじ書房/共著)ほか。

田中牧郎教授の選評
今年は平成から令和への改元があり、【令和○○】といった言葉が多く投稿されると思っていましたが、意外にもほとんどありませんでした(【令和】自体は100件以上ありました)。新しい時代に入ったばかりで、「令和を象徴する」といえる社会現象などがまだ起きていないからなのでしょう。今後、どんな令和ワードが生まれてくるのかに期待です。大賞には、編集部と協議のうえ【イートイン脱税】を選びました。しかし「脱税」という厳しい言葉が付いていますが、厳密に言えば、お店が「持ち帰り」と認めて販売した時点で商取引は終わっており、お客さんがその後、気が変わって店で食べる行為の処罰は難しいんだそうです。イートインスペースに食べ物を持ち込んで食べる迷惑客と本質的には変わりません。税率8%だったとは言え、自分の店で買った客に退店や会計のやり直しを迫ることは難しいでしょう。このため、他の客が「それ、8%で買ったんだろ」と指摘する【正義マン】といった言葉も生まれています。細かい「正義」を四角四面に押しつける人のことですが、それはそれで、社会を殺伐とさせる行為でしょう。一方、次点に選んだ【にわかファン】は決して新しい言葉ではありません。しかし、従来、とくにサッカー・ワールドカップのときだけ盛り上がる人たちを、コアなファンが揶揄する言葉でしたが、ラグビー・ワールドカップでは、「【にわかファン】おおいに結構! 一緒に楽しもう!」という雰囲気がありました。もともとサッカーほどメジャーでない競技ゆえでしょうか、「楽しい!」と言ってくれる新参者を、先輩ファンが温かく受け入れてくれている、そんな微笑ましい言葉だったと思います。

編集部の選評
今年もたくさんのご投稿、誠にありがとうございました。通年で最も投稿数が多かったのは【タピる】ですが、上半期には【上級国民】が目立ち、5月に18件、6月に23件も寄せられました。特定の事件・事故に対して、メディア発でなく、一般の方々が怒りを込めてSNSなどで発言したことが着火点となり、主にネットの世界で使われている言葉です。ほかに【子供部屋おじさん】【無敵の人】なども、ある事件を機に広がった言葉といえるでしょう。キャンペーン期間中、さまざまなことがあった社会の動きに、皆様が敏感に反応してらっしゃることを、あらためて強く感じました。しかし『大辞泉』編集部では、これらの言葉は不安定で、その実体はまだ掴みかねると判断し、大賞とはしませんでした。そして、今年あった「消費税増税」という出来事に関連し、軽減税率のルールの分かりにくさと、そこを突いた庶民のささやかな抵抗、さらにはルール違反をする人への怒り(呆れに近いのかもしれませんが)など、さまざまな思いが表出した言葉として【イートイン脱税】を大賞としました。また、今年前半に多く寄せられ、アプリ版・ネット版に収録済みの【闇営業】と、ラグビー・ワールドカップで注目された【にわかファン】を次点としました。

大賞の【イートイン脱税】をご投稿いただいた方の中から
抽選で1名様にAmazonギフト券10,000円分をプレゼントいたします。

※当選者の発表は発送をもってかえさせていただきます。
※Twitterからの応募の方が当選した場合は別途ダイレクトメッセージにてお知らせし、お名前とメールアドレスなどをお伺いいたします。

「大辞泉が選ぶ新語大賞 
~あなたの新語も辞書に載せよう。~」とは

 2013年の初開催以来、各メディアで話題となっている『大辞泉』の「あなたの言葉を辞書に載せよう。」キャンペーン。そのスピンオフ企画として開催されたプロジェクトが「大辞泉が選ぶ新語大賞 ~あなたの新語も辞書に載せよう。~」です。
毎年たくさんの新しい言葉が生まれては消えていきますが、その年の世相を象徴する“言葉”は、年末の恒例行事として大きな話題となっています。しかしその中で、後世まで残り定着する“新しい言葉”は一体いくつあるのでしょうか?
そこで、『大辞泉』編集部は、現在辞書に載っていない、しかし後世に残すべく辞書に載せたい“新しい言葉”を公募し、『大辞泉』デジタル版に掲載するという、画期的なプロジェクトを実施いたしました。本プロジェクトは、「変わり続ける言葉を捉え続ける」という編集方針を実証する試みであり、国語辞典の未来の在り方を問うプロジェクトでもあったのです。
投稿された新語の中から、実際に『大辞泉』に採用する可能性のある新語を編集部が毎月発表。その中から最も影響力のある新語を「大辞泉が選ぶ新語大賞2019」として選定・発表いたしました。そして、これらの新語の中から実際に辞書に載せる言葉を決定。編集部が各分野の専門家に執筆を依頼し、『大辞泉』各種アプリなどに収録。goo辞書、コトバンク、ジャパンナレッジにも順次掲載いたします。

『大辞泉』が収録を検討している
新語をご紹介します。

キャンペーン期間中に
投稿された1,927語の新語の中から、
実際に『大辞泉』に採用する
可能性のある新語を
編集部が毎月選定しました。
合計49語の新語が選ばれました。

【上級国民】
一般国民とは違う特別待遇を得られる国民。
【育自】
育児は子供を育てるという意味だが、子供を育てながら自分自身の修業であり、親自身も成長をしていくという意味。
【オムチェン】
(おむつチェンジの略)こどものオムツを新しいものに交換すること。
【神対応】
対応困難な場面やトラブルなどの場面での対応の仕方が素晴らしいこと。
【生涯スポーツ】
元気なお年寄りが、健康の為始めたスポーツにはまり、スポーツを頑張ってすること。
【ミスジェンダリング】
個人が決定するべきジェンダーを、当事者でない外部の人間が本人の意志を無視して決定し、それが本人の決定と異なること。
【やらかい】
柔らかいの事を最近は短縮はしょって、やらかいと言う。でも正式には、やわらかい。
【ずこー!】
ずっこけるような時に使います。幼稚園で覚えてきた娘が毎日使っています。
【バイトテロ】
アルバイト店員が、バイト先で非道徳的・非常識・または非衛生的な行為をあえて行い、それらをSNSを通して世界中に発信すること。
【拡大自殺】
絶望感にさいなまれ、強い自殺願望を抱いているが、ひとりで死ぬのは嫌だバカらしいと考え、誰かを巻き添えにして死のうとすること。
【ネオクラシックカー】
本格的なクラシックカーではなく、比較的新しい、昭和の終わりから平成の始まり頃の車。
【闇営業】
芸人がプロダクションを通さないで仕事を請け負うこと。また特に、裏社会からの誘いで仕事を請け負うこと。
【反社会的勢力】
暴力・強迫・ゆすり、詐欺・売春など犯罪を行うことで生活を営んでいる人々。裏社会の人々。
【ロマンス詐欺】
婚活サイトや出会いサイトの写真や会話でイケメンに成りすまし、女性を騙して送金させる詐欺。
【突る】
突撃する。
【界隈】
俗に、特定の同じ趣味を持っている人たち。
【責任世代】
会社内である程度の地位とそれに伴う責任を負っている世代。中間管理職に居てもおかしくない年齢の層を指す。
【にこいち】
2つのものを合わせ、1つのものを作ること。たとえば2つの車体から部品を取り、1台の車を組み立てること。
【こんにちはしてる】
はみ出ていること。
【政党ロンダリング】
時流を見て所属政党を次々に変えたり、悪いイメージがついたと感じると党名を変えて元々の立場や考えをわかりづらくさせること。また、選挙前に一旦離党して無所属として立候補、当選後に出身政党に戻ること。
【沼】
趣味などに、引きずりこまれるほどのめり込んでいる状態のたとえ。
【ホストタウン】
オリンピックに参加する特定の国のお世話をする国内の市町村。
【ハンディーファン】
持ち運びできる小型の扇風機。
【ギガ不足】
スマートフォンなどでの通信をやりすぎて、通信容量が月の契約ぶんを超えること。
【転売屋】
転売を行う人。
【察してちゃん】
要求や説明をしないのに、自分の気持ちを察してほしいと願う人。
【お悔やみ詐欺】
新聞のお悔やみ欄で故人を見つけ、遺族から架空請求で金をだまし取ろうとする詐欺。
【へたっぴ(い)】
下手(へた)。
【乱横断】
赤信号で横断歩道を渡ったり、横断歩道ではない場所で横断するなど、道路の危険な横断。
【ミートテック】
皮下脂肪。また、自分の贅肉で温まること。肉とユニクロのヒートテックを合わせた語。
【おなかいっぱい】
①飲食によって腹が満たされているさま。②あることをして気持ちが十分に満たされているさま。また、そのことにはもうあきあきしたさま。
【新卒ガチャ】
新卒で企業に入社したが、運が良ければ上司・仕事に恵まれ、運が悪ければ両者に恵まれず出世コースから遅れるか、手に職がつかないで残業だけが多かったりすること。
【ラグい】
動画をライブ配信できるサイトなどで、ネット回線が悪く、双方に時間差が生まれてしまうこと。タイムラグの「ラグ」から。
【集合体恐怖症】
粒や塊が集合している状態の写真等を見ると恐れを感じてしまう人々の症状。
【リアチン】
リアルチングの略。チングとは韓国語で友達の意。ネットの友達の反対で現実の友達。
【フレネミー】
友達を装った敵。普段はまるで仲良しな友達のように振る舞っているのに、じつは相手を陥れてやろうとたくらんでいる。
【電力トリアージ】
電力についての 緊急度に応じて復旧や修理や搬送などの優先順位を決める「トリアージ」のこと。
【はこおし】
アイドルグループの個人を応援するのではなく、グループ全体を応援すること。推すこと。
【イートイン脱税】
食品を持ち帰り税率の8パーセントで会計して、イートインで食べること。本来であればその場で食べる場合は税率10パーセントで会計しなければならない。
【涙活】
意識的に涙を流そうとする活動。映画や読書などにより、涙を流すことで心の浄化を図る。
【正義マン】
イートイン脱税を勝手に取り締まろうとする人のこと。
【市民ライター】
プロを目指して休日等に小説などを書き、各種公募等に投稿し続けている人。
【にわかファン】
これまで関心がなかった物事に対し、流行等で急に興味を持ち、その事柄についてよく知っていないがファンになる人のこと。
【置き餌】
動物(主に猫)に与える餌を、給餌の度に片付けることをせずに、置きっぱなしにすること
【学畜】
ほぼ毎日、学校の部活や勉強などに追われ、私生活の時間をなかなか捻出できない状況にある人。
【災後】
災害に遭遇した後。被災した後。
【三次喫煙】
喫煙者が自身の肺に吸い込む「一次喫煙」に対して、喫煙者が吐き出した煙や保持するタバコの先から立ち上る煙などが大気を経由して他人に吸入されることが「二次喫煙」である。三次喫煙は、受動喫煙が終わった後も表面上にまだ残る有害物質を吸入することである。
【父子規制】
お盆休みに、母親を同伴せず子どもだけを連れて父親の実家に帰省すること。
【定期】
繰り返される話題または言葉の返し方。鉄板ネタ。

※【界隈】【沼】【定期】は既存後の新語釈です。
※投稿された語釈がそのまま収録されるのではなく、編集部が新たに執筆陣に依頼し『大辞泉』各種アプリなどに収録する予定です(一部の新語は、今年8月改訂時に既に収録しています)。

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